
日本では2026年3月31日に最後の3Gが止まり、通話とSMSは4GのVoLTEで運ばれるようになったからです。海外の番号のまま来日した場合、スマホか契約先の携帯会社が日本の回線でのVoLTEローミングに対応していないと、データはつながっても通話とSMSは失敗し、代わりに頼れる古い回線もありません。出発前に、携帯会社のVoLTEローミング対応状況を確認してください。
症状はたとえばこうです。成田に着くと旅行用eSIMがすぐにつながり、地図もLINEも普通に動く。ところが銀行のログインコードはいつまで待っても届かず、旅館にかけた電話は呼び出し音すら鳴らないまま「通話に失敗しました」で終わります。
eSIMにも電波にも問題はありません。原因は自分の番号の音声側にあり、それを受け止めてくれる古い回線が、日本にはもう残っていないのです。日本の携帯会社を使っている人には無縁の話ですが、一時帰国する海外在住の人や、海外から遊びに来る家族や友人は、まさにここでつまずきます。
日本の古い回線は、1社ずつ幕を下ろしてきました。KDDIのauが2022年3月31日に3Gを終え、ソフトバンクが2024年4月15日に続き、最後に残ったNTTドコモのFOMAも2026年3月31日に終了しています。
2Gはさらに10年以上前、2012年3月31日のドコモのmova終了で姿を消しました。いまの日本は4Gと5Gだけです。4Gでの電話は、VoLTEで運ぶか、まったく運べないかのどちらかしかありません。
ドコモは自社の利用者に、2026年4月1日以降はVoLTEをオフにした4Gスマホでは音声通話ができなくなると告知していました。ローミングで入ってくる旅行者には、そんな知らせは届いていません。
2026年4月からの日本のルールは単純です。日本の回線でVoLTE通話ができないスマホは、日本では普通の電話もかけられません。データはまた別の話で、こちらはたいてい今までどおり使えます。
VoLTE(Voice over LTE)は、通話の音声を4G回線の上でデータとして運び、自分の携帯会社の音声システムへ渡す仕組みです。海外でこれが動くのは、別々の3つの条件がそろったときだけです。
1つでも欠ければ、その番号では電話をかけることも受けることもできません。少し前までは通話のときだけスマホが黙って3Gに降りていたので、誰も気づかずに済みました。日本がなくしたのは、まさにその逃げ道です。
§スマホがVoLTEに対応しておらず、2Gと3Gの両方が停止した国へ渡航すると、音声通話はできなくなります。
4Gのデータローミングは古くからある単純な仕組みで、スマホが日本の回線につながれば、通信はそのままインターネットへ出ていきます。古い回線を借りていたのは音声のほうで、通話のたびに3Gへ降りては戻っていました。3Gが消えたいま、アンテナは満タンでデータも動くのに、発信ボタンだけが失敗します。
SMSはもう少しややこしく、VoLTEがなくてもローミング中の利用者に届けられる携帯会社もあれば、届けられない会社もあります。カナダのFreedom Mobileは、3Gのない場所ではVoLTEローミングがないとメッセージもデータも、911を含む音声も使えなくなることがあると利用者に注意を促しています。認証コードは届かないものとして計画してください。
大手の月額プランで最近のフラッグシップ機を使っているなら、たいていは問題ありません。電話が使えないまま着いてしまうのは、次のどれかに当てはまる人がほとんどです。
WhatsApp、LINE、FaceTimeしか使わないなら、この話はまったく関係ありません。影響を受けるのは本来の番号、つまり普通の通話とSMS、そしてそこに乗って届く認証コードです。
日本は、増え続けるリストに加わった最新の国にすぎません。通話を左右するのは、3Gと一緒に2Gも消えたかどうかです。VoLTEローミングのないスマホでも、2Gが残っている場所ならまだ電話をかけられるからです。
| 国 | 停止した古い回線 | VoLTEローミングなしの通話 |
|---|---|---|
| 日本 | au 3Gが2022年3月、ソフトバンク 3Gが2024年4月、ドコモ 3Gが2026年3月31日。2Gは2012年に終了 | 逃げ道なし |
| アメリカ | AT&TとVerizonの3Gが2022年、T-Mobileの3Gが2022年7月、T-Mobileの2Gが2026年8月3日 | 逃げ道なし |
| オーストラリア | 2024年10月28日までに3Gがすべて終了 | 逃げ道なし |
| ニュージーランド | 2degreesの3Gが2026年2月、One NZの2Gと3Gが2026年3月23日、Sparkの3Gが2026年3月 | 逃げ道なし |
| アイスランド | 2Gと3Gの停止が完了 | 逃げ道なし |
| シンガポール | 2024年8月から3Gを段階的に停止 | ないものと考える |
| 比較:フランス | 2Gは2026年9月〜12月に停止、3Gは2028〜2029年まで存続 | 3G経由でまだ可能 |
アメリカはいまや日本と同じくらい厳しくなっています。T-Mobileのネットワーク移行ページによると2Gの停止は2026年8月3日で、AT&TとVerizonが3Gを閉じてから4年後です。VoLTEローミングなしでアメリカに行けば、普通の電話に使える回線はもう何も残っていません。
ニュージーランドも今年で移行を終え、2degreesは自社の利用者に渡航前のVoLTEローミング確認を呼びかけています。対照的なのがフランスで、2026年9月10日に更新されたArcepのスケジュールでは、事業者によって2028年末か2029年末まで3Gが残ります。
VoLTEローミングは、家にいながら証明することはできません。自宅でVoLTE通話ができても、証明できるのは国内のVoLTEだけだからです。次の手順なら10分ほどで、ほとんどの場合に答えが出ます。
旅そのものの対応エリア、回線、データ量の目安は、日本のeSIMガイドにまとめています。
着いたらすぐ、空港のWi-Fiが届くうちに本番のテストをしてください。Wi-Fiをオフにして、自宅の回線から友人か留守番電話に発信し、SMSを1通送ります(この通話には携帯会社のローミング料金がかかります)。失敗したら、あるいはeSIMはアンテナ満タンなのに自宅の回線がSOS表示なら、ターミナルを出る前に次の対策を整えましょう。
Wi-Fi通話は自宅の番号の通話とSMSをインターネット経由で運ぶので、足りないVoLTE契約をまるごと回避できます。携帯会社が海外での利用を認めていることが条件で、料金もまちまちです。Verizonの場合、アメリカの番号へのWi-Fi通話は無料、ほかの国へは国際料金がかかります。
iPhoneなら、本物のWi-Fiがなくても使えることがあります。AppleのデュアルSIMの解説には、「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオンにすると、片方の回線がもう片方のモバイルデータでWi-Fi通話を使えると書かれています。つまり自宅の番号を、旅行用eSIMの日本の4Gに乗せられるのです。
自宅の回線のデータローミングはオフのままにしておけば、切り替えがローミングのデータを使ってしまうことはありません。Androidはメーカーと携帯会社しだいで、GoogleのPixelのデュアルSIMヘルプも、携帯会社がWi-Fi通話に対応していることを条件に挙げています。
Zwitchyの旅行用eSIMはデータ専用です。日本では全国規模の4G・5G回線にスマホをつなぐので、自宅の携帯会社がどんな契約を結んでいても、地図、LINE、WhatsApp、FaceTimeオーディオ、データ経由のWi-Fi通話は動き続けます。
ただし日本の電話番号はつかず、SMSも受け取れず、自宅の回線の普通の通話を直すこともできません。データ用eSIMはVoLTEローミングがないことへの解決策ではありません。そう言って売る人がいたら、それは間違いです。
できるのは、ここに挙げた対策すべてに速くて安い回線を用意することです。2つの回線の役割分担はデータ専用eSIMで通話・SMS・電話番号はどうなるかで、アプリごとの話は旅行用eSIMでWhatsApp、iMessage、番号をそのまま使う方法で詳しく説明しています。
ログインコードを1つ受け取り損ねただけで、券売機でカードが通らなかったその日に、銀行のアプリに入れなくなることがあります。出発前に、使いそうなアカウントはすべて認証アプリ、パスキー、アプリ内承認に切り替え、旅行に持っていくスマホで一度ログインしておいてください。
VerizonのようにWi-Fi通話でSMSも運ぶ携帯会社なら、コードがデータ経由で届くこともあります。ただ、実際にその経路で届くのを一度見るまでは当てにしないでください。
日本の緊急番号は、警察が110、消防と救急が119です。24時間対応の訪日外国人向けの緊急ダイヤル(Japan Visitor Hotline)は050-3816-2787。日本に来る家族や友人には、着く前に3つとも登録しておいてもらいましょう。
VoLTEローミングのないスマホで110や119につながるかどうかは、携帯会社によって言うことが違います。Telstraは、VoLTEで緊急通報できないスマホは3Gのない場所では、4Gや5Gの電波があってもつながらないとしています。一方2degreesは、VoLTE対応のスマホなら電波のある場所ならどこでも緊急通報できると説明しています。
正直に読むなら、最近のVoLTE対応機ならおそらく大丈夫、古い機種や輸入品は怪しい、ということです。Appleはさらに、モバイル通信の電波がなくても、Wi-Fi通話をオンにしたiPhoneはWi-Fi経由で緊急通報できる場合があると補足しています。
110や119にかけて試すのは絶対にやめてください。スマホに不安があるなら、日本の回線で確実に使えるスマホを持った人と一緒に動き、主要なルートを外れるときは行き先を宿に伝えておきましょう。
もっと明確に定めている国もあります。オーストラリアの2024年の決定は、緊急番号のトリプルゼロにつながらないスマホを通信事業者が遮断するよう定めていて、警告を受けたうえで90日以内滞在する外国人旅行者は例外です。対象になる機種はオーストラリアのガイドで扱っています。アイスランドでは規制当局が確認用の番号1280を用意しているので、試しに112へかけなくて済みます。
ニセコユナイテッドは天候しだいで、2026年11月28日に4エリアすべてをオープンします。送迎の運転手もスキースクールもレンタルショップも、いまだに番号へ電話をかけてきます。コース外や悪天候のなかで本物の119への通話に代わるアプリはありません。海外の友人とニセコへ行くなら、VoLTEローミングの確認は山頂ではなく出発前に。
日本のeSIMプランを見る →ドコモが2026年3月31日にFOMAを終了して以来、日本には3Gがなく、通話にはVoLTEローミングが必要です。4Gのデータローミングはそれがなくても動くので、地図やアプリは読み込めるのに自分の番号での通話は失敗します。携帯会社のローミングページで、日本のVoLTE対応を確認してください。
自宅の回線が日本で音声とSMSに登録できる場合か、携帯会社のWi-Fi通話がSMSも運ぶ場合に限られます。VoLTEローミングがないと、日本にいる利用者へSMSを届けられない携帯会社は少なくありません。大事なアカウントは出発前に認証アプリかパスキーへ移しておきましょう。
かけられません。Zwitchyの旅行用eSIMはデータ専用で、電話番号もSMSもありません。アプリ通話やデータ経由のWi-Fi通話は動き続けますが、携帯会社がVoLTEローミングに対応していない場合、自宅の回線の普通の通話を直すことはできません。
ローミングページで日本の提携回線の横にVoLTE、4G Calling、HD Voiceの表記があるか、VoLTEローミング対応機種の一覧に自分の機種があるかを確認します。どちらにも書かれていなければチャットで質問し、回答を保存しておきましょう。確実な証明は、着いてからのテスト通話だけです。
かけられるかもしれませんが、当てにはしないでください。Telstraは、VoLTEで緊急通報できないスマホは3Gのない場所ではつながらないとし、2degreesは、VoLTE対応機なら電波のある場所ならどこでも通報できるとしています。訪日外国人向けの緊急ダイヤル050-3816-2787を登録し、110や119にかけて試すことは絶対にしないでください。
携帯会社が海外でのWi-Fi通話を認めていれば、ホテルのWi-Fi経由で、iPhoneなら旅行用eSIMのデータ経由でも使えます。Verizonのように海外からはiPhoneで有効にできない携帯会社もあるので、出発前にオンにしておきましょう。自国以外への通話料金も確認してください。