
コードが届くのは普段の番号なので、旅行用eSIMと並べてその回線をオンにしておきましょう。データローミングはオフで大丈夫です。それでも届かないなら、原因はたいてい通信会社(ローミングが未開通、または3Gが終了した国でVoLTEローミング非対応)か送信元で、国内番号にしかSMSを送らない銀行もあります。出発前にアプリ承認を設定しておきましょう。
旅行用eSIMが担当するのはデータ通信です。電話番号を持たないので、SMSを受け取ることはありません。銀行、WhatsApp、Googleのワンタイムコードは、国内にいるときと同じく普段のSIMの番号に届きます。海外にいる間も、その回線が受信できる状態になっていなければなりません。
ほとんどの場合は回線をオンにしておくだけで、費用も追加の設定もなく受け取れます。コードが届かなくなっても、eSIMが原因であることはまずありません。考えられるのは、設定、通信会社、現地のネットワーク、送信元、そして新しい場所からのアクセスを不審と判断するサービス側、の5つです。原因の見分け方と、それぞれの対処法を紹介します。
回線が2つあるスマホでは、普段の番号の回線をオンにしておくのが大前提です。両方の回線をオンにしておくとどうなるか、Appleは海外でのeSIM利用ガイドでこう説明しています。
§両方の回線をオンのままにすると、主回線の機能は引き続き使えます。
iPhoneでは「設定」→「モバイル通信」で普段の番号をタップし、「この回線をオンにする」がオンになっているか確認します。Pixelなら「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」、Galaxyなら「設定」→「接続」→「SIMマネージャー」にSIMの設定があります。そのほかの設定はデュアルSIMの回線設定ガイドで解説しています。
オフにしてかまわないのは、普段の回線のデータローミングです。オフにしてもSMSは止まりません。AT&Tも、データローミングがオフでも通話とSMSの送受信はできると明言しています。オフにしておけば、バックグラウンド通信で発生する1日単位の料金も防げます。Verizon TravelPassやTelstraのDay Passのようなプランでは、電話をかける・受ける、SMSを送ると1日分の料金が発生しますが、SMSを受け取るだけなら発生しません。
海外でのSMS受信は、ほとんどの国で無料です。EU、EEA、モルドバ、ウクライナでは、EUのルールにより通話やSMSの受信に料金はかかりません。AT&T、Telstra、Turkcellも、SMSの受信は無料で、デイパスが発動することもないとしています。例外はVerizonの従量料金で、SMSを1通受け取るごとに0.05ドルかかります。
こちらから頼まない限りローミングを止めている通信会社もあり、止められた回線では電話だけでなくSMSも届かないことがあります。旅先でコードが一度も届いたことがないなら、まずここを確認しましょう。
見落としやすいのがAISのルールです。*125のセルフ登録はタイ国内からしかできないので、出国前に済ませておきましょう。海外からだとAISのコールセンターに頼むしかありません。
3Gを停波した国では、訪問中のスマホへのSMSは4Gで届きます。これが機能するのは、契約中の通信会社が現地のネットワークとVoLTEローミング契約を結んでいる場合だけ。カナダのFreedom Mobileは、最悪のケースをはっきり書いています。
§9-1-1などの緊急通報を含め、メッセージ、データ、音声サービスを利用できなくなります。
Freedomの3G非対応渡航先リストには、米国、日本、インド、マレーシア、シンガポール、台湾、イングランド、スコットランド、ウェールズ、オーストラリア、ニュージーランドが並びます。ニュージーランドのOne NZはそこまで悲観的ではなく、VoLTEローミングのない4Gスマホでも、SMSはおそらく届くが通話はできない、としています。どちらも正しいことがありえます。SMSが届くかどうかは、3G停波のときにそれぞれの現地ネットワークがどう作り直されたかで決まるからです。
どちらにしても、やるべきことは同じです。出発前に、渡航先でVoLTEローミングが使えるか通信会社に確認し、SMSに頼らないコードの受け取り方を用意しておきましょう。いちばんわかりやすい例が日本で、詳しくは日本でスマホの通話やSMSが使えない理由で解説しています。
スマホに問題はなくても、送信元がそもそも海外にSMSを送らないことがあります。国内の通信会社経由でしか、あるいは国内の番号にしかコードを送らない銀行もあり、ヘルプページにそう明記しています。
Googleにはもうひとつ落とし穴があります。ヘルプページによると、場所などログインの状況にいつもと違う点があると、SMSでコードが送られないことがあるそうです。新しい国からのログインはまさにそれにあたるので、SMS頼みのGoogleアカウントは、到着初日にログインできなくなる原因になりがちです。
通信会社が対応していれば、Wi-Fi通話を使うと普段の番号でWi-Fi経由のSMS送受信ができます。iPhoneでは、通信会社が許可していれば旅行用eSIMのデータ通信も使えることが多いです。AppleもWi-Fi通話をオンにするとWi-Fi経由でSMSを送れると説明しています。オンにするのは出発前に。Verizonによると、iPhoneのWi-Fi通話は米国を出たあとでは有効にできません。
落とし穴は通話です。VerizonもAT&Tも、Wi-Fi経由での米国外の番号への通話を国際長距離通話として扱います。2026年9月18日、トラベルライターのZach Griffは、ギリシャ旅行のあと75ドルを請求されたと書きました。VerizonのTravelPassに1日12ドル払っていたうえでの請求で、ギリシャの番号に電話したとき、スマホがいつの間にかWi-Fi通話に切り替わっていたのが原因です。
§外国の番号へのWi-Fi通話は、実際にどこにいるかに関係なく長距離通話扱いになります。
苦情を伝えたところ、Verizonはこの請求を取り消しました。AT&Tも勧めている安全な使い方は、SMSと自国への電話にはWi-Fi通話、現地の番号への電話にはWhatsAppなどのアプリ、という使い分けです。
いちばん確実な対策は、SMSに頼る場面を減らすことです。大手のサービスにはどれも、海外でSMSが届くかどうかに左右されない入り口があります。
銀行もこの方向に動いています。シンガポールの銀行は2024年7月、デジタルトークン利用者のログインでSMSコードを段階的に廃止すると発表しました。マレーシアの中央銀行は2022年にSMSコードからの移行を銀行に指示し、Deutsche Bankは2025年8月25日からのバンキング刷新に合わせてSMS TANの廃止を始めました。逆の例がインドで、インド準備銀行の2025年のルールは新しい方法を加えたものの、SMSコードの廃止は求めていません。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 誰からもコードがまったく届かない | 普段の回線がオフ、またはローミング未開通 | 回線をオンにする。通信会社にローミングの開通を依頼 |
| 日本、米国、オーストラリアでコードも電話も届かない | プランかスマホがVoLTEローミング非対応 | Wi-Fi通話、アプリでのコード受け取り |
| 銀行のコードだけ届かない | 銀行が国内でしかSMSを送らない、または国内番号限定 | 銀行アプリでの承認、カードリーダー |
| GoogleがSMSを送ってこない | 新しい場所からのログイン | Googleからのメッセージ、認証システム、バックアップコード |
| SMSが遅れてまとめて届く | 電波が弱い、または混雑している | 待つか、Wi-Fi通話をオンにしてWi-Fiに切り替える |
| 旅行用eSIMに何も届かない | データ専用で電話番号がない | コードは必ず普段の回線に届く |
旅行用eSIMはデータ専用で、電話番号がないからです。SMSやコードは普段のSIMの番号に届くので、eSIMと並べてその回線をオンにしておきましょう。
いいえ。SMSは普段の回線のネットワーク接続を使い、データ通信は使いません。AT&Tも、データローミングがオフでも通話とSMSの送受信はできると明言しています。
通常はかかりません。EU域内でのローミング中のSMS受信は無料で、AT&T、Telstra、Turkcellも料金を取りません。例外はVerizonの従量料金で、受信1通につき0.05ドルです。
国内の番号にしかSMSを送らない銀行があるからです。英国のNationwideはコードが届くのは英国の番号だけ、米国のCommunity BankはSMSアラートが届くのは米国の番号だけとしています。出発前に銀行のアプリ承認を設定しておきましょう。
Googleによると、新しい場所からなど、ログインの状況がいつもと違うとSMSでコードを送らないことがあります。代わりに「Googleからのメッセージ」、Google認証システム、バックアップコードを使いましょう。
音声通話で受け取るオプション(Call me)を試しましょう。コードが留守番電話に残されることもあります。再登録でメールアドレスを登録済みなら、メールでも受け取れます。普段の回線のローミングをオンにするのも効果があります。
通信会社がWi-Fi通話に対応していて、旅行前にオンにしておけば受け取れます。AppleもWi-Fi通話をオンにすればWi-Fi経由でSMSを送れるとしています。ただし、Wi-Fi経由の現地番号への通話は国際通話として請求されることがあります。
自国の回線が日本で4Gを使える場合だけで、それにはVoLTEローミングが必要です。日本の3Gはすでに終了しています。出発前に通信会社に確認し、SMSが届かない場合に備えてアプリでのコード受け取りも設定しておきましょう。